英語検定試験の中でも、特に人気のある英検。
2018年度の志願者数は合計380万人以上で、グラフからもわかるように、まだまだ伸びていきそうな感じです。
グローバル化に対応するために、教科書を使った英語の授業が2020年に開始されましたね。
早期英語学習を始める子供たちが増えると同時に、小学生以下の英検の受験者数も増えています。
最近では、従来型の英検に加え、英検CBT、英検S-CBT、英検S-Interviewというタイプも加わりました。
今回の記事では、従来型英検、英検CBT、英検S-CBT、英検S-Interviewのそれぞれ特徴を徹底比較!
受験の申し込みで失敗してしまわないように、どれを選んだらいいのかも解説します。
- 従来の英検
- 英検CBT
- 英検S-CBT
- 英検S-Interview
- どのタイプを受けるべき?
- 全部のタイプを比較できる表を公開!
- 最後に
従来の英検
これまでと同じ、英検です。
1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つのレベルがあります。
大きな会場に大勢の受験者が集まり、一斉に試験を受けるという、受験方法。
一次試験は、リーディング、リスニング、ライティングです。
1級~3級までは、二次試験としてスピーキングを測定するための面接があります。
しかし、4級と5級には、二次試験はありません。
また、4級と5級のスピーキングテストは、 対面式ではありません。
自宅や学校でパソコン、スマートフォン、タブレット端末などからインターネット上のスピーキングテスト受験サイトにアクセスする方法です。
1級~3級の一次試験に合格したものの、二次試験(スピーキングの面接)に不合格だった場合、一次試験免除要請をすれば、次回に二次試験から受けられます。
試験の実施は第1回、第2回、第3回と、年に3回行われます。
試験方法
種別 | 試験方法 |
リーディング | マークシート式の解答用紙に記入 |
リスニング | マークシート式の解答用紙に記入 |
ライティング | 解答用紙のライティング解答欄にに手書き |
スピーキング | 二次試験の面接(解答用紙はマークシート) |
英検CBTで、一次試験に合格し、二次試験に不合格となった場合、一免資格が与えられます。
従来型の英検の特徴
1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級まで、7つのレベル
マークシート方式で解答、
一次試験と二次試験に分かれている
4級と5級のスピーキングテストは、インターネット上の受験サイトにアクセス
実施は年に3回
英検CBT
CBTは、Computer Based Testingの略です。
従来の英検と同じように、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングを測定しますが、すべての技能テストをコンピューター上で受験するという新方式。
受験会場は上の写真のような感じで、受験席すべてにパテーションが設置されています。
受験席にはメモ用紙とペンが用意されていて、スピーキングとリスニング用にヘッドセットも完備されています。
試験方法
種別 | 試験方法 |
スピーキング | ヘッドセットを使用して、音声を聞き取り、マイクに発話(録音式) |
リスニング | マークシート式の解答用紙に記入 |
リーディング | マークシート式の解答用紙に記入 |
ライティング | キーボードで英文を入力 |
英検CBTで、一次試験に合格し、二次試験に不合格となった場合、一免資格が与えられます。
従来型との比較
問題構成は従来型の英検と同じですが、大きな違いは、1日で4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)すべてを受験できること。
すべての技能をコンピューター上で行うことも、大きな違いですね。
また、CBTは準1級、2級、準2級、3級の4つのレベルのみです。
従来と同じく年に3回の実施ですが、1回の実施ごとに4回の試験日が用意されています。
例えば、2020年第2回の試験日は、8月23日、9月13日、10月18日、11月1日
英検CBTの特徴
準1級、2級、準2級、3級の4つのレベル
リーディング、リスニング、ライティングだけでなく、スピーキングもすべて1回の試験で完了
問題の表示も解答記入も、すべてコンピューター上で行う
ライティングは、パソコンに備え付けられたキーボードで解答を入力
スピーキング・リスニング用にヘッドセット
年に3回の実施だが、第1回、第2回、第3回それぞれの実施で、4日(1か月に1回で、4か月の間)用意されている
英検S-CBT
英検S-CBTは、「英検2020 1 day S-CBT」を短くしたものです。
スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングを1日で測ることができる試験です。
実はこの試験、従来型の英検と英検CBTのハイブリッド。
そのため、パソコンの基本的な操作(マウスクリックやキーボード入力など)ができることが、受験条件の1つになります。
受験環境は英検CBTと同じで、受験席すべてにパテーションが設置されています。
英検CBTと同じく、準1級、2級、準2級、3級の4つのレベルのみ。
年に2回の実施ですが、1回の実施ごとに数多くの試験日が用意されています。
例えば、東京の新宿エリアであれば、6月には11回の試験が実施予定
エリアや会場によって用意されている試験日が違うので、詳しくは公式サイトでチェックしてください。
また、文部科学省の英語民間試験の活用延期発表があったため、第2回の予約申込は実施しないことが決定されました。
第2回検定の受付期間などの詳しいことは、決定次第に公表されるようです。
個人的には、子供にこのタイプを受けさせたいと思っていましたが、次の日程や詳しいことが予定されていないようなので、残念です。
予約申込と本申込における期間の違い
予約申込と本申込の違いは、「どの時期に申し込みをしたか」です。
第2回検定からは予約申込がなくなるようなので、あまり気にしなくてもいいようですが、詳しいことを知りたい方は、公式サイトでチェックしてみてくださいね。
「お申込みに必要なステップ」で説明されています。
試験方法
種別 | 試験方法 |
スピーキング | ヘッドセットを使用して、音声を聞き取り、マイクに発話(録音式) |
リスニング | ヘッドセットで音声を聞き、選択肢をクリックして解答 |
リーディング | コンピューターで表示される問題を読み、選択肢をクリックして解答 |
ライティング | コンピュータで表示される問題を読み、紙の解答用紙に手書き |
英検S-CBTの特徴
準1級、2級、準2級、3級の4つのレベル
リーディング、リスニング、ライティングだけでなく、スピーキングもすべて1回の試験で完了
マークシート方式で解答、ライティングは手書き
スピーキング・リスニング用にヘッドセット
年に2回の実施だが、現在(2020年5月の時点)では、第2回検定の予約申込は実施無し
英検S-Interview
S-Interview(または、英検2020 2 days S-Interview)は、英検CBTや英S-CBT方式では受験できない人のための、特別タイプの試験です。
具体的には、吃音の人や、テロップ、点字などの受験上の配慮を必要とする、障がいのある受験者のためのもの。
リーディング、ライティング、リスニングをPBT、スピーキングを対面式で行います。
申込時に、受験上の配慮要請が必要です。
その申請内容に基づいて審査が行われ、受験の可否や配慮内容が決定されます。
英検2020 2 days S-Interview における受験上の配慮内容のPDFを希望の方は、こちらからダインロード ⇒ 英検2020 2 days S-Interview における受験上の配慮の概要(PDF)
検定は年に2回。
1級、準1級、2級、準2級、3級の5つのレベルが用意されています。
試験方法
種別 | 試験方法 |
スピーキング | 面接委員との対面による面接(対面式)※ |
リスニング | 放送される音声を聞き、選択肢を選んで解答用紙にマークして解答※ |
リーディング | コンピューターで表示される問題を読み、選択肢をクリックして解答※ |
ライティング | 解答用紙に英文を記述※ |
※申請した受験上の配慮の内容により、受験方法は異なる
英検S-CBTの特徴
障がい等のある方への受験上の配慮がある
マークシート方式で解答、ライティングは手書き
スピーキングは面接委員との対面式
1級、準1級、2級、準2級、3級の5つのレベル
従来型英検のように、「リーディング、リスニング、ライティング」と「スピーキング」の2日間にわかれている
年に2回の実施だが、現在(2020年5月の時点)では、第2回検定の予約申込は実施無し
どのタイプを受けるべき?
1級、4級、5級を受けたい人
従来型の英検を受けてください。
残念ながら、CBT、S-CBTでは、1級、4級、5級は用意されていません。
ただ、2020年5月の時点での話なので、今後は受験できるようになるかもしれませんね。
4技能すべてを1日で終わらせたい人
CBTかS-CBTを受けてください。
どちらもコンピューター上で受験する英検で、スピーキングテストも1日で済ませることができます。
少しでも検定料安くしたい人
検定料の比較表
従来の英検 | CBT | S-CBT | S-Interview | |
1級 | 10,300円 | ー | ー | 13,800円 |
準1級 | 8,400円 | 7,400円 | 7,900円 | 7,900円 |
2級 | 7,400円 | 6,400円 | 6,900円 | 6,900円 |
準2級 | 6,900円 | 5,900円 | 6,400円 | 6,400円 |
3級 | 5,900円 | 4,900円 | 5,400円 | 5,400円 |
4級 | 3,600円 | ー | ー | ー |
5級 | 3,000円 | ー | ー | ー |
上の表からわかるように、CBTが一番お得です。
準1級~3級レベルだと、従来の英検よりも1000円も安いんですよね。
ただ、「キーボードやマウスを使える人」ということに注意。
ライティングもキーボードで解答を入力する必要があるので、日常的にコンピュータを使っていない人には、ちょっと難しいかもしれません。
キーボードやマウスを使いなれている人
CBTが断然おすすめです!
普段からキーボードを使って文章を書いたりしている人は、解答用紙に手書きをするよりも早いのでは?
手書きだと間違えた場合に修正するのが大変ですが、コンピューター上なら間違えた文章を消したり、コピペしたりするのも簡単ですしね。
基本的なコンピューターの操作ができる人
S-CBTがよさそうです。
解答はマークシート方式、ライティングも手書きなので、基本的なキーボードの操作(マウスのクリック)ができればOK。
ただ残念ながら、2020年第2回の日程などは、まだ決まっていない状態です。
決まり次第、公式サイトで公表されるそうなので、気になる方はときどきチェックしてみてください。
コンピューターをまったく使えない/使いたくない人
従来型の英検を受験してください。
リーディング、リスニングはマークシート方式ですし、ライティングも解答用紙に手書きです。
スピーキングは面接官との対面式なので、コンピューターを使う必要はありません。
特別な配慮が必要な人
S-Interviewを受けてください。
申込時に申請が必要になります。
配慮の内容によって対応が違ってきますので、詳しくは公式サイトの説明をごらんください。
英検2020 2 days S-Interview における受験上の配慮内容のPDFを希望の方は、こちらからダインロード ⇒ 英検2020 2 days S-Interview における受験上の配慮の概要(PDF)
全部のタイプを比較できる表を公開!
それぞれの英検のタイプ、それぞれの級の試験時間や試験方法、検定料などの詳しい情報を、ギュッと1つの表にまとめました!
この表をダウンロードしたい場合
PDFファイル版がほしい方のために、ダウンロードできるようにしました!
ぜひご参考に。
最後に
英検にはどんなタイプがあるのか、また、どのタイプを受けるのが一番いいのかについて、それぞれ比較しながら詳しく説明しました。
ぜひ自分に合った試験を申し込んで、合格を目指してがんばってくださいね!
小学生の子供に英検を受けさせようか考えている方は、ぜひこちらの記事が参考にしてみてください。
我が子も、2020年のうちに1度は英検を受けさせてあげようと思っています。
グローバルな世界で羽ばたけるように、一緒に英語学習を進めていきましょう!